1. ホーム
  2. 為替情報
  3. 2017為替予想
  4. ≫スイスフランの見通しはユーロ次第?2017年の為替展望を解説

スイスフランの見通しはユーロ次第?2017年の為替展望を解説

世界でも最高水準の豊かさを誇り国際競争力が最も高い国の一つでもあるスイス。安全資産として名高いスイスフランは「金よりも堅い」と称され、有事の際には円と並んで大きく買われます。

経済体質としてユーロ圏と密接な関連があることから、2016年は大きな値動きもありました。2017年度のスイスフランは果たしてどのような値動きを見せるのでしょうか。

この記事では、2017年のスイスフランの動向についてスイスの経済事情や直近1年間のレートの動きなども合わせてご紹介していきます。今後のスイスフランのトレード検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。

スイスの経済事情

スイスのGDPは世界第20位で中堅の先進国ですが、一人当たりGDPは80,000ドル以上(日本は32,000ドル程度)であり世界でも最高水準の豊かな国です。国民の貯蓄意識は日本と同じくらい高く、富裕層が多いことでも知られています。金融資産で100万ドル以上を保有している国民は、全体の1割近くを占めています。

かつてのスイスは傭兵業が盛んだったことで有名ですが、現在ではヴァチカン市国の衛兵を除いて禁止されています。近年の産業はかなり手広く、金融業・電力・観光業・精密機械工業などが高い水準で営まれており好調な経済を支えています。

スイス経済はユーロ圏経済への依存が強く、輸出先の6割、輸入先の8割がEU諸国となっています。そのため、為替でもユーロとの相関性が高くユーロ圏の経済情報にはある程度注意を払わなければなりません。

スイスフランの特徴

スイスフラン最大の特徴は、円と並んで世界屈指の安全資産であるということです。世界的にリスクオフの動きが出れば安全資産としてのスイスフラン買いが加速していきます。世界的な流通量は円のように多くはありませんが、「金よりも堅い」と言われるほどスイスフランは世界中で信用度が極めて高い通貨として認識されています。

また、日本やユーロと同じく超低金利政策が採られていることでも有名です。2015年1月以降はマイナス金利を維持しており、かなりの防衛姿勢を堅持していると言えるでしょう。今後もこの傾向は続くものと考えられます。

金との相関性が高い通貨であることもよく知られています。スイスは世界第4位の金保有国であり、かつてはスイス憲法で通貨の40%を金準備によって裏付けることが求められていたほど金が重要視されていました。現在でもその名残があり金の価格が上昇すればスイスフランも上昇する傾向があります。

スイスフランショック

安全資産として名高いスイスフランですが、2015年1月にその常識を覆す事件がありました。それが「スイスフランショック」です。これは金融市場でも前例がない歴史に残る大暴騰を見せ、スイスフラン/円はわずか20分で約4,000pipsの上昇となりました。リーマンショックや東日本大震災でも経験したことのない値動きに、市場関係者は震え上がったと言われています。

これはスイス・フランの対ユーロ相場において上限目標が撤廃されたことによって引き起こされました。当時IMFにすら事前連絡なく実行されたことで、スイス国立銀行には非難が殺到。堅調なスイス企業でも株価の大暴落を招き、スイス経済は一時的に大混乱に陥りました。

しかし、以降はこの教訓を踏まえてスイス国立銀行が為替市場に介入し為替レートターゲットを設定する運用となっています。現在は、スイスフランショック前の水準とまではいかないものの、ある程度落ち着いた値動きを見せています。世界的なリスクオフの動きが強まらない限りは安定した水準を維持できるでしょう。この為替ターゲット維持の運用は継続されると予想されています。

このようにスイスフランは安全資産として非常に人気が高いために高騰しがちであり、それを阻止しようとするスイス国立銀行は常に対応を求められています。今後もこのせめぎ合いは続いていくでしょう。

スイスフラン値動きの推移

ここからはスイスフラン/円の直近1年間のレート推移を見ていきます。画像はスイスフラン/円の日足チャートとなっています。

2016年度は102円~117円ほどの値幅で推移していきました。全体的な流れでは、年初から1月後半にかけての緩やかな下落と戻し、7月までの小幅なダウントレンドと6月後半の荒い値動き、7月から10月までのレンジ相場を経て12月前半までの上昇局面と言う流れで推移していきました。

2016年初から1月後半にかけての下落と戻し

2016年初から1月後半にかけての下落は世界的なリスクオフの流れが影響したためですが、対円ではともに安全資産であることから他通貨よりはやや小幅な下落となりました。

その後、1月後半に戻しているのは日銀発表で使い金融緩和によるマイナス金利が導入されたことによります。効果は一時的であったため、すぐに元のレートへと戻りました。

2016年2月~7月までのダウントレンドと6月後半の大変動

2月以降は株安や米長期金利の引き下げなどの影響を受けてリスクオフの動きが出始め、加えてドイツ銀行破綻の憶測が市場に流れたため、徐々にダウントレンドへと推移していきました。その後も4月の終わりに日銀が追加金融緩和を見送ったことなどによって円買いの流れとなり、下降局面の流れは続きました。

そんな中で6月後半のブレグジットで離脱派勝利と言う予想外の展開に市場は荒れに荒れ、比較的値動きの穏やかなスイスフラン/円でも1日で10円ほどの値動きが見られました。

2016年7月~10月までの小幅なレンジ相場

その後はブレグジットの余波が残っていたものの徐々に平静さを取り戻し、ECB(欧州中央銀行)の量的緩和縮小の動きもあって10月までは小幅なレンジでのもみ合い局面となりました。

2016年10月後半~12月前半にかけての上昇局面

10月以降は徐々にリスクオンの流れとなりアメリカ大統領選に向けた期待感から上昇局面へと推移していきました。トランプ大統領当選直後を除けば12月前半までは景気対策への市場の期待もあって上昇トレンドが続くこととなりました。

12月半ばからの調整局面を経て今後どのように推移していくのかという相場感となっています。

2017年のスイスフランはどうなるか

ここまでのスイス経済とスイスフランの特徴や直近のレート推移を踏まえて、2017年度のスイスフランの動向を考えていきましょう。リスクオフの動きが加速しなければ、105円~125円の間で推移していくと考えられます。

スイス経済は好調でさしたる問題もなく、順調に成長していくでしょう。また、スイス国立銀行の為替ターゲット運用も継続の構えであることから大きな変動は起こらない可能性が高いです。

問題はユーロ圏が大きな政治イベントが目白押しになっていることと、ユーロ圏に特大のインパクトを与える可能性のある中東の地政学的リスクが高まっていることに懸念があります。

世界的なリスクオフの流れが強くなった時は、安全資産であるスイスフランと円は一気に買われますので対策が必要です。ちなみに、スイスフラン/円の場合は円買いの方向に傾きますので、それも念頭に置いておきましょう。

ユーロ圏の動向については下記記事でもご紹介していますので、合わせて参考にしてみてください。

関連記事2017年度ユーロの見通しは?為替変動のカギは政治イベント

まとめ

ここまで、2016年度のスイスフランの動向と2017年度の展望、及びスイス経済の特徴などについてご紹介してきました。

スイスは世界で1,2を争う裕福な国で、永世中立国であることから戦争やテロとも無縁であるため、安全資産としてスイスフランが高い地位を保持しています。経済成長もほぼ毎年継続できているため、不安要素が少ない優良通貨と言えるでしょう。

超低金利通貨であるためスワップポイントは全く見込めませんので、ユーロ経済とリスクオフの流れに注意しながら為替差益を狙っていくのがおすすめです。ファンダメンタルズの要素をしっかり分析できれば良い成果を得ることができるでしょう。

関連記事【スイングトレードの負けない手法総まとめ】稼ぐためにチェックすべきポイントは?

お役に立てばシェアしてくださいね。

コメント

この記事へのコメントはありません。

コメントする


※メールアドレスは公開されません。