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2017年度の為替見通しを徹底解説!英ポンドの鍵はブレグジットとヨーロッパ選挙?

近年G7(先進主要7ヵ国)でも最も高い成長率を維持しているイギリスは、2016年はEU離脱問題で世界経済を揺るがせ、一時的に大きな混乱が広がりました。今後はEU離脱へ向けた手続きが加速していくとみられますが、経済に及ぼすインパクトはどの程度なのでしょうか。

2017年度の英ポンドはどのように推移していくのでしょうか。

この記事では、2017年の英ポンドの動向についてイギリスの経済事情や直近1年間のレート推移なども合わせてご紹介していきます。今後の英ポンドのトレード方針を模索している人は、ぜひ参考にしてみてください。

イギリスの経済事情

イギリスはG7の一つで、現在も高水準の経済成長を続けている先進国です。かつて大英帝国と呼ばれた時代の勢いはないものの、世界経済には依然として大きな影響力を持っています。

主要産業はGDP全体の8割近くを占めるサービス業であり、その中でも基幹産業として位置づけられているのが金融業です。ロンドンは世界最大の金融センターであり、為替取引高は世界第1位を保持し続けているのです。

製薬業界も強く医薬品研究開発は世界第3位のシェアを持っており、自動車関連産業も活発です。

また、豊富なエネルギー資源を有しているのも特徴でGDPの10%をエネルギー製品が占めています。この値は先進国で最も高い数値で、資源国としての顔も持っています。好調なサービス業と豊富な資源を背景に、イギリスは現在も持続的な経済成長を実現しており2016年時点でのGDPはEU第2位です。

ブレグジット

最大の懸念は2016年6月23日に実施された「EU離脱の是非を問う国民投票」で離脱派が勝利したことによる「ブレグジット問題」でしょう。イギリスがEUを離脱することによって、国内はもとよりEU全体への影響が懸念されています。

開票日直後は市場全体へ混乱が広がりましたが、その後は大きな変動は起きておらず平静を取り戻していると言えます。ロンドン証券取引所の株価指数「FTSE100」では離脱派勝利直後に大きく下落しましたが、その後1週間もせず元の水準まで戻し2016年末には過去最高値を記録しています。

EU離脱が実現するため国内でも対EUとの交渉でも多くの手続きを行う必要があり、全ての合意を得るには2年以上を要すると言われています。具体的に影響が出始めるのは、もう少し先のことかもしれません。ただ離脱手続きの進捗の発表ごとに、為替の一時的な変動は発生するでしょう。

英ポンドの特徴

英ポンドの最大の特徴として、先進国通貨の中ではボラティリティ(値幅)が極めて大きいことが挙げられます。英ポンド/円の組み合わせでも1日3円以上動くことは珍しくありません。これは投機目的での売買が多いことが主な理由であり、ハイリスクハイリターンな通貨として投資家から根強い人気があります。

値動きの激しさからFXの短期トレードでも人気の通貨ですが、チャートのクセを掴むのが難しく中上級者向けの通貨と言えるでしょう。初心者の人が手を出すことは、おすすめできない通貨です。

流通は海外よりもイギリス国内で盛んにおこなわれており、投機マネーとしての価値が高いと言われています。そのため個人投資家の動向が大きく影響する通貨でもあり、動き方が独特なのもそこに要因があります。

現在はEU加盟国ですので輸出入ともにEUに大きく依存しており、ユーロ通貨と連動して英ポンドが動く傾向にあります。しかし、EU離脱へ向けた動きが進んでいる中で中国との結びつきを強める動きも出ており、今後貿易相手国の比率がどのように推移していくのかも注目のポイントと言えるでしょう。

かつては高金利通貨としても人気がありましたが、近年は一貫して低い水準となっており2016年8月以降は0.25%を維持しています。スワップポイントはほとんど期待できず、FX業者によってはマイナスのところもあるくらいです。基本的にはボラティリティの大きさを狙った、短期的な為替差益を狙う戦略となるでしょう。

英ポンド値動きの推移

ここからは英ポンド/円の直近1年間の動向を確認していくことにしましょう。画像は英ポンド/円の日足チャートとなっています。

2016年度は125円~186円ほどの値幅で推移していきました。全体的な流れでは、年末から2月後半にかけての下落、6月後半までのもみ合いと6月後半のブレグジットによる暴落、7月から10月までのレンジ局面を経て12月前半までの状況局面と言う流れで推移していきました。

2015年末から2月後半にかけての下落

2015年末から1月後半にかけては世界的なリスクオフの動きが大きくなり、安全資産の円が買われることとなりました。中国株の暴落や中東情勢の悪化が大きく影響したものと考えられます。

1月後半に一時戻したのは日銀のマイナス金利導入発表によって、市場ではアベノミクスが継続すると受け止められたためです。しかし効果は限定的ですぐにレートは元の水準まで戻りました。その後ドイツ銀行破綻の憶測が流れ、ポンドは再び下落していきました。

2016年3月からのレンジ相場と6月後半のブレグジット

3月からはもみ合いが続きましたが、6月後半に極めて大きな値動きがありました。ブレグジットでEU離脱派が勝利したのです。開票日当日は1日で25円以上ものレートが動きました。ポンドの信用が下がったことで、ポンド安の流れはしばらく続くことになります。

2016年7月~10月までのレンジ相場

7月以降イギリス国内の経済はある程度平静を取り戻したもののポンドの水準はブレグジット前までは回復せず、低いレートで推移していくこととなりました。ただ欧州の各中央銀行の協調が示されたことやECBの量的緩和縮小の観測が広がったことなどもあり、10月まではある程度落ち着いた値幅でのレンジ相場へと推移することになりました。

2016年11月~12月前半までの上昇とその後の調整局面

11月以降は世界的なリスクオンの流れが広がりつつあったこととアメリカ大統領選でのトランプ氏当選などの動きもあって上昇局面となりました。開票日当日はリスクオフの考えが大勢を占めましたが、翌日以降は経済政策への期待感が上回りリスクオンの流れとなりました。

12月は調整局面となり上昇は一服して、今後どのように推移していくのかという相場です。

2017年の英ポンドはどうなるか

上記のイギリス経済と英ポンドの2016年度の値動きなどを踏まえて、2017年度の英ポンドの動向を考えていきたいと思います。

冒頭でも触れたように、イギリス経済自体はその成長率が物語っているように今後も底堅い見通しです。経済には大きな問題は見当たらないと言っても良いでしょう。世界的なリスクオフが顕在化しないことを前提として、英ポンド/円は135~148円程度で推移していくものと予想します。

しかし問題は何といってもEU離脱問題で、取り分け今後「ハードブレグジット」の強硬策を取っていくのかどうか、その交渉過程に注目が集まっています。2017年初のメイ首相の発言が「ハードブレグジット」を示唆したと取られ、英ポンドが一時的に急落する事態も発生しています。

これと関連してヨーロッパで2017年に実施される重要選挙の行方にも関心が高まっています。極右政党の台頭で、ヨーロッパ各国によるEU離脱の可能性も現実味を帯びています。EU存続が危ぶまれる事態になれば、為替の動きは想像を絶するものになるでしょう。

さらに中東には依然として地政学的なリスクがあり、イギリスは難民問題を現在進行形で抱えているため、リスクオフの流れになれば英ポンドの暴落は避けられません。

2017年度の英ポンドは外的リスクがどこまで顕在化してくるかにかかってくるでしょう。

まとめ

ここまで、2016年度の英ポンドのレート推移と2017年度の展開予想、及びイギリス経済の特徴などについてご紹介してきました。

近年のイギリスはG7でも持続的な経済成長を続ける先進国で、今後も金融業を中心としたサービス業と豊富な資源をベースとして底堅い経済を維持していくでしょう。

問題の1番手であるEU離脱問題がどのように推移していくかで英ポンドの行方も変わってきます。ヨーロッパの選挙の動向と合わせて政治経済ニュースに目を光らせておく必要があります。

英ポンドをメイン取引にしている人は、最新のニュースをしっかり取り入れてリスクコントロールを適切に行うようにしましょう。

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