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2017年の為替見通しを検証!メキシコペソは国内外リスクのコントロールが重要

中南米第2位の経済力を有するメキシコ。非アジア地域を除けば日本企業の関心が非常に高い新興経済大国で、リーマンショックの影響が弱まった2010年以降は高い経済成長を維持しています。

豊富な資源を背景に、NAFTA(北米自由貿易協定)をはじめとする貿易で利益を生み出しています。

順調な経済成長とは裏腹に、メキシコ人口の50%以上は貧困層であり、社会情勢が不安定で治安が非常に悪い国としても有名です。トランプ政権になってNAFTAの見直しなども、喫緊のリスクとして取り挙げられ今後の展開が不安視されています。

2017年度のメキシコペソはどのような動きを見せるのでしょうか。

この記事では、2017年のメキシコペソの動向についてメキシコの経済事情や直近1年間の動きなども合わせてご紹介していきます。今後メキシコペソでのトレードを考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

メキシコの経済事情

メキシコはGDP世界第15位で、中南米ではブラジルに次ぐ第2位の経済規模を持つ新興国です。

南米のブラジルやアルゼンチンの経済が伸び悩む中にあっても高い経済成長を維持しており、今後も堅調に推移していくとみられています。若年層が多いことから個人消費拡大の見込みもあり、期待の新興経済大国と言えるでしょう。

豊富な資源

産業は石油を筆頭に中世から産出量の高い銀(世界第1位)やオパールなどの豊富な資源を有しており、貴重な外貨獲得の手段としています。また安価な労働力をベースとして自動車や家電製品の生産も増加傾向にあり、NAFTAを有効に活用し好調な輸出を支えてきました。

アメリカ依存

メキシコ経済の最大の特徴はアメリカへの依存度です。1994年のNAFTA発効以降は特にその傾向が強く、輸出の8割以上がアメリカとなっています。アメリカ経済の影響をまともに受けるため、経済指標の関連情報はマメにチェックしておく必要があるでしょう。

社会情勢

課題は治安が悪く社会情勢が不安定であることです。貧困率が非常に高く、犯罪率の高さや麻薬の蔓延は国の経済に暗い影を落としています。また、隣国アメリカへの不法入国、麻薬密輸などは社会問題となっており、二国間の関係悪化を招いています。

NAFTA再交渉の行方

最重要課題はNAFTAの再交渉をトランプ政権が要求していることでしょう。取り分けメキシコは、NAFTA発効以降アメリカへの依存度が非常に高く、改定される内容によっては経済へのダメージは計り知れません。今後の交渉過程は注意深く見守っていく必要があるでしょう。

メキシコペソの特徴

メキシコペソは、国内経済の好調さと労働人口の増加を背景とした成長力が魅力の通貨ですが、多くのリスクを抱えた通貨でもあります。特徴をいくつかご紹介します。

アメリカ経済からの影響

メキシコペソはアメリカ経済の動向に大きく左右される通貨です。アメリカ経済が好調であれば上昇しますし、減退していれば下降する傾向が強いです。米国雇用統計発表などには最新の注意が必要でしょう。

資源国通貨

また、資源国通貨であるため、原油価格の下落などによってメキシコペソも大きく変動します。特に2016年2月の原油価格の下落では、対ドルで過去最安値を更新するなどの影響が出ています。

カントリーリスク

政治的・社会的問題を多く抱えることからカントリーリスクの高い通貨でもあり、国内情勢にも常に注意を払っておかなければなりません。

2度の通貨危機

メキシコは1982年と1994年の2度通貨危機を迎えています。

1982年は先進国から途上国への融資が急増していた流れの中で発生したもので、メキシコもその影響を受け投機的なマネーが大量に流れ込み対外債務が膨れ上がって債務危機となりました。

1994年は2月の先住民の反乱と3月の大統領候補暗殺によって、メキシコの信頼が地に堕ちカントリーリスクが表面化したことによるものです。結果メキシコペソは暴落し、直前の好景気バブルの影響もあってその反動は凄まじくメキシコ国家は財政破綻してしまったのです。

現在も社会情勢が不安定であることは変わりなく、カントリーリスクの懸念はメキシコペソに常に付きまとっています。

トレードのメリット

元々金利は高い通貨でしたが近年さらに上昇傾向にあり、2017年2月には6.25%にまでなりました。ただ、スワップポイントには全く期待できませんので、為替差益を狙ったトレードを中心に取引することをおすすめします。

メキシコペソでトレードするメリットは、対円での価格水準が低いことにあります。2017年2月現在5~6円程度で推移していますので、1ポジションあたりの証拠金を安く抑えることができるのはトレーダーにとっては嬉しいところでしょう。

メキシコペソ値動きの推移

ここからはメキシコペソ/円の直近1年間の動向を見ていきましょう。画像はメキシコペソ/円の週足チャートになります。

2016年度は5円~7円ほどの値幅で推移していきました。全体的な流れとして、年初から1月後半にかけての下落と2月前半の大きな下落、2月後半から4月までのレンジ相場と6月後半の一時的な変動、7月から10月までのレンジ相場を経て11月以降の上昇局面から今後どのように推移して行くかというところです。

2016年初~1月後半にかけての下落と2月の大きな下落

年初の下落は中東情勢不安などの世界的なリスクオフの流れと原油価格の下落が大きく影響したものと考えられます。加えて原油価格がさらに下げたことで石油輸出国のメキシコは大きな痛手を受け、2月には大きな下落となりました。

2016年2月後半~4月までのレンジ相場と2016年6月後半の変動

2月後半から4月までもみ合いが続きますが、これはアメリカの政策金利の利上げペースを年4回から2回に減少させる声明が出されたことによるマイナス面と、原油価格が持ち直して上昇基調に向かいつつあるというプラス面が材料としてあったことで拮抗したためでしょう。

しかし、6月後半には英国の国民投票で離脱派が勝利するというまさかの展開になり、市場が大きな混乱に見舞われました。メキシコペソ/円でも1日に70銭ほど(15%前後)の値動きがありました。

2016年7月~10月までのレンジ相場

7月はブレグジットへの反動もあって一時的に上昇局面へと移行しますが、米大統領選挙の行方や利上げの有無で憶測が流れ、一進一退の展開となりもみ合いの局面となりました。

2016年11月以降のアップトレンド

11月にトランプ大統領が当選すると開票日直後は大きな変動があり、1日に1円近く(20%前後)もの値動きがありました。この日を除いて基本的には上昇局面となり、全面的に円が売られる展開となりメキシコペソ/円でも上昇トレンドを形成していくこととなりました。

2017年のメキシコペソはどうなるか

上記のメキシコ経済とメキシコペソの2016年度の動向などを踏まえて、2017年度のメキシコペソはどのように動いていくのかを考察してみましょう。メキシコ経済は堅調に推移していることと原油価格が持ち直していることから、基本的には上昇傾向にあるとみます。メキシコペソ/円のレートとしては、5.1~6.2円程度で動いていくものと予想します。

ただしメキシコはリスクをかなり多く抱え込んでいるため、その展開次第では暴落する可能性はあります。国内では治安の悪化、対外的にはNAFTAの改定が主なリスクとして挙げられます。

世界的なリスクオフになる可能性としては、欧州の極右政党の対等や中東情勢の悪化などが挙げられ、これらが顕在化すればリスク資産であるメキシコペソは大きく売られるでしょう。

好調な経済と堅調な個人消費のプラス面と国内外に抱えるリスクのマイナス面が今後どのようなウエートで作用していくかが、メキシコペソの命運を握ることになるでしょう。

まとめ

ここまで、2016年度のメキシコペソの推移と2017年度の展望、及びメキシコ経済の特徴などについてご紹介してきました。

メキシコは中南米を代表する期待の新興経済大国で経済が好調ながらも、国内外にあまりにも多くリスクを抱えている国です。

トレードの際はリスクコントロールを万全にして臨む必要があります。取り分けメキシコ国内情勢とNAFTA交渉の行方に細心の注意を払いながら、取引をしていくことをおすすめします。

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