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トランプ政権が為替に与える5つのリスク!2017年米ドルの見通しと為替取引の方向性

極端な移民制限政策や対中国強硬姿勢、イスラエル大使館問題からの中東情勢悪化懸念など世界的リスクオフになり得る政策を打ち出すトランプ政権。

為替取引は、これらの要素を踏まえて戦略を練る必要があります。

この記事では、2017年の米ドルの動向とトランプ大統領の政策との相関性についてご紹介していきます。今後の米ドルのトレード方針を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。

トランプ政権の経済政策

トランプ政権で主に重視されている経済政策が2つあります。それが大規模な減税と巨額のインフラ投資です。

大規模減税

トランプ大統領が選挙戦から繰り返し言及していたのが広範囲にわたる大規模な減税です。法人税を35%から15%まで一気に引き下げることや、中間層に対する大幅な所得税減税、企業の海外資金への軽減税率を15%から10%に引き下げることなどが検討されています。

2017年2月現在、法人税については目標値を15%~20%の間に設定することを共和党が表明しており、他の減税についての声明が出されるのも待たれているところです。

法人税の減税は、企業の投資を積極的に促しアメリカ経済に大きな貢献をもたらすでしょう。また、所得税の減税はアメリカ経済の中心である個人消費を後押しする効果が期待できます。

巨額インフラ投資

巨額のインフラ投資もトランプ政権経済政策の目玉となっています。トランプ大統領が推し進めるインフラ投資政策には優先プロジェクトとしての枠があり、これに対して全米知事協会(NGA:National Governors Association)が428もの事業リストを政権に提出しています。

トランプ大統領が計画しているインフラ投資額は10年間で1兆米ドルとも言われており、雇用にも大きな影響を及ぼすものと考えられます。インフラ投資の財源としてアメリカ国債が追加発行されるのは確実なため、金利が上昇し米ドル高が誘発される可能性も高いと言えるでしょう。

また、GDP成長率の押上げや老朽化したインフラが復活することも考えられるため、少なくとも短期的には経済的な効果を見込むことができるでしょう。

トランプ政権のドル政策

ムニューチン財務長官が主張しているように、トランプ政権では「強い米ドル政策」が基本路線となっています。長期的に強い米ドルを形成していくことが、強いアメリカ経済を維持していくことに繋がるというスタンスです。

しかし、政権内には「強いドル」方針に懐疑的な見方もあり必ずしも一枚岩とは言えません。政権上級顧問のスカラムッチ氏は米ドル高のリスクを警告していますし、トランプ大統領自身も中国の人民元政策に対する批判の中で「米ドルは強すぎる。

米国企業が中国企業と競争するのは非常に困難」と発言し、通貨安誘導アクションの可能性を窺わせる発言をしています。この発言直後にムニューチン財務長官は、大統領の発言は短期的なものを意識してのことであって、長期的には米ドル高になっていくのが重要であると発言しています。

トランプ政権でも方針がまとまっていない印象を受けますが、経済運営の主要ポストには金融機関出身者が就任していることから、米ドル高方針に進む可能性が高いとみられています。「国家経済会議委員長」にゴールドマンサックス現社長のゲーリー・コーン氏、財務長官のスティーブン・ムニューチン氏もゴールドマン・サックスの元幹部です。

米ドル高であれば国際資本市場での資金調達のハードルが下がるため、金融機関出身者は基本的に米ドルが高いことを好むようです。よって、経済政策を彼らが主導するのであれば、しばらくは米ドル高基調で進む可能性が高いと言えるでしょう。

ただ、トランプ大統領の貿易不均衡に対する考え方の底流には米ドル高があるため、今後政権が経済政策において何を最重視するかで二転三転する可能性も考慮に入れておかなければなりません。

世界的リスクオフを招く可能性のある政策

トランプ大統領は選挙期間中から過激な発言を連発し、アメリカ国内外を問わずしばしば世間を驚かせてきました。それは大統領就任後も変わらず続いています。そして、このような過激な発言がそのまま政策に反映されているものもあるのです。

今後の展開次第では世界的なリスクオフの流れを形成する可能性すらあり、トランプ政権の方針には注意を払っていかなければなりません。ここでは、為替に影響を与える可能性のある政策をいくつかご紹介します。

対中国強硬政策

為替操作国として名指し批判するなど中国に対しては強硬姿勢で臨むことトランプ政権の方針と考えれます。国防関連の主要メンバーも対中強硬派を揃えており、中国に対しては厳しい姿勢で対応すると思われます。

最大の懸念材料は南シナ海での米中衝突です。トランプ政権は中国が強引に推し進める南沙諸島の軍事化に対して厳しい姿勢で臨むことが予想されており、米中双方譲らなければ偶発的であれ軍事衝突が起こる可能性は十分にあります。

そうなれば、為替は安全資産の円に一気に流れ込むでしょう。

対北朝鮮強硬政策

北朝鮮に対しても強硬姿勢で臨むことが明確になってきました。トランプ政権になってから、議会では再び北朝鮮をテロ支援国家に指定する動きも出てきており、アメリカはかなり強い姿勢で臨むものと考えられます。

日米首脳会談中のミサイル発射や金正男氏の暗殺など、北朝鮮は自らを不利に追い込む状況を作り出しておりテロ支援国家に指定されるのもそう遠くないことかもしれません。

最も怖いのは追い詰められた北朝鮮が暴発して、朝鮮半島で戦争が勃発してしまうことです。こうなれば為替市場の混乱は避けられません。

駐イスラエル米大使館のエルサレム移転

最も現実的で高いリスクを伴うのが、駐イスラエル米大使館のエルサレム移転です。アメリカでは、大使館のエルサレム移転が米国議会で可決され続けている歴史があります。そして、それを阻止してきたのが歴代大統領による「大統領令」なのです。

前アメリカ大統領バラク・オバマ氏の大統領令が失効するのが2017年5月となっており、トランプ氏が新たに大統領令を出さなければ米大使館のエルサレム移転は自動的に決定してしまいます。

エルサレム移転は、選挙期間中の公約でもあることから実現性は高いと言われており、そうなれば中東情勢の悪化は深刻なものとなるでしょう。

第5次中東戦争が起こる可能性は極めて高くなり、米ドルの暴落は避けられないでしょう。エルサレム移転は早ければ5月24に発表されると見られており、今後の展開に注目が集まっています。

2017年以降トランプ政権が米ドルにもたらす影響

アメリカ経済は非常に好調であり2017年度もその傾向は持続していくでしょう。また、大規模な減税や巨額のインフラ投資による経済活性化、主要経済閣僚が米ドル高を推進していることや、

FRBが利上げを2~3回すると公言していることなどからも米ドル高の流れは基本路線であると考えられます。市場が好感する材料も多いことから、110円~130円程度の値幅で推移していくと考えられます。

懸念は先に述べたトランプ政権発による世界的リスクオフの動きです。これらが顕在化するとアメリカ経済の堅調さなど簡単に吹き飛んでしまいますので、世界情勢のニュースにはいつも以上に神経をとがらせなければなりません。

よって、リスクが顕在化しなければ米ドル高、顕在化すれば米ドル暴落と考えておけば良いでしょう。

まとめ

ここまで、2017年の米ドルの動向とトランプ大統領の政策との相関性についてご紹介してきました。

トランプ政権は、大規模減税や巨額インフラ投資などで経済活性化の好材料がありながらも、対外政策で世界的リスクオフの流れを作り出す危険性も併せ持っており、目が離せない展開が今後も続くことでしょう。

米ドルをメインで扱っている人は、世界情勢に目を光らせつつも、基本的に上昇相場と捉えてトレードをするのがおすすめです。

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