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EU離脱のブレグジットショックによる為替への影響を徹底検証

2016年度の経済ニュースで最も大きなインパクトがあったのが「ブレグジット」でしょう。EU圏第2位の経済規模を持つイギリスが国民投票でEU離脱の決定を下したことは、ヨーロッパのみならず世界中に衝撃を与えました。

もちろん為替への影響はすさまじく、全ての通貨ペアで大変動が起こったことは記憶に新しいことでしょう。時に、政治経済においては為替に絶大なインパクトを及ぼす大きな事件が発生することがあります。

このような時に慌てることがないよう過去の教訓から学ぶのは、非常に重要なことと言えるでしょう。

この記事では、ブレグジットショックがもたらした為替への影響度をご紹介していきます。2017年度のポンドの値動きや政治経済の一大イベントがもたらす影響について興味のある人は、ぜひ参考にしてみてください。

ブレグジットとは?

ブレグジット(Brexit)とはイギリスの【Britain】と出口の【exit】を掛け合わせた造語で、EUからのイギリス脱退問題全体を総括した俗称です。

2016年6月23日に実施された「イギリスのEU離脱の是非を問う国民投票」において、離脱派が勝利したためEU離脱が現実のものとなりました。当初は残留派が優勢とみられていたこともあって、離脱派の得票数が上回ったことはより大きな衝撃となり為替や株価に絶大な影響を及ぼしました。

開票日の為替は全ての通貨ペアで大変動を見せ、英ポンド/円では1日で25円以上ものレートが動くほどの乱高下の展開となりました。ポンドの信用は大きく低下し、市場は一時的に大混乱に陥ったのです。

ブレグジットに関連した、これら一連の為替や株などの経済活動全般に及んだ事象を「ブレグジットショック」と呼びます。大きな混乱は一時的なもので1週間もすると市場もある程度落ち着きを取り戻しましたが、ポンドの信用は低下したままであり今後の影響に関してはまだ未知数です。

取り分け、ヨーロッパで極右政党が勢いを増していることから、ヨーロッパ全土でEU離脱の流れに傾くようなことになれば既存のヨーロッパ経済が崩壊し世界経済全体に波及することになりかねません。特に今後のヨーロッパの主要選挙の結果には注意が必要でしょう。

ブレグジットがもたらした為替相場へのインパクト

ブレグジットは為替相場にどの程度のインパクトをもたらしたのでしょうか。ここでは、英ポンド/米ドルの4時間足から開票日前後の為替への影響度を見ていきたいと思います。

投票日10日前~投票日まで

投票されるまでの10日間では世界中からの注目が集まっていたこともあり、各メディアでこの話題が大きく取り上げられていました。接戦であることは言われていましたが、多くのメディアで残留派が優勢であると報道されていました。

その影響もあってかポンドは上昇トレンドを形成しており、6月20日に至っては窓空きまで発生しています。

開票日当日

開票日は、大手メディアにおいて投票後の出口調査結果で残留派優勢であるとの発表があったために、ポンドが一時的に大きく上昇する展開でスタートしました。しかし、その後開票が進むにつれて離脱派優勢が伝えられると、ポンドは全ての主要通貨に対して大きな下落を見せることとなります。

画像でもお分かりの通り、英ポンド/ドルでは1日で2000pipsほどの値動きとなりました。英ポンド/円では2500pips、ポンドとは直接関係ない上に比較的穏やかな値動きの米ドル/円でも700pips以上の変動が見られました。

イギリス経済だけではなく、EU圏の経済、引いては世界経済全体への不安感が市場にも表れた結果と言えるでしょう。

開票翌日~1週間後

開票翌日から週明けまでは荒い値動きが続く落ち着かない展開でしたが、1週間後くらいまでには穏やかな値動きとなり一定の落ち着きを取り戻しました。しかし、ポンドの下落は埋まってはいません。

アメリカ経済が好調なこともあって、米ドルに対しては2016年末にかけても下落を続けています。イギリスは今後EU離脱に関する手続きを進めていくことが確実ですので、今後の展開も目が離せません。

ブレグジットショックの余波

開票日直後はとてつもないインパクトを与えたブレグジットですが、今後の影響として考えておくべきものには何があるでしょうか。幾つか代表的なものをご紹介します。

EUを離脱する国が現れるか

やはり最も気になるのは、イギリス以外にもEUを離脱する国が現れるのかというところでしょう。2017年はオランダ、フランス、ドイツとヨーロッパで主要選挙が多く実施されるため、極右政権が誕生するかが大きな焦点となっています。

3月15日のオランダ下院選では、極右政党の自由党が第1党には及ばず最初の関門は突破したと言えるでしょう。

しかし、その後4月と5月に控えているフランス大統領選挙では、極右政党「フランス国民戦線」党首のマリーヌ・ルペン氏が支持率1位, 2位を争っています。

また、ドイツでも現首相のメルケル氏の支持率が下降していることも追い風となって、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が勢いを増してきています。

フランス・ドイツともに極右政権が誕生すれば、EU離脱の是非を問う国民投票が実施される可能性が高く、EU経済圏第1位のドイツと第3位のフランスが共に離脱すればEUの崩壊は免れません。

ブレグジットショックの余波は、EUへ甚大な影響を与えるリスクをも秘めているのです。

イギリスの内部分裂

イギリス国内世論を2分した国民投票は内部分裂の危機をもはらんでいます。取り分けEU残留の圧倒的多数派地域だったスコットランドでは再び独立の機運が高まっています。少なくともイギリスがEUを離脱するまでの間は、確実に独立運動が熱を帯びることは間違いありません。

2014年に実施されたイギリスからの独立を問う国民投票では残留派がかろうじて勝利しましたが、再度投票となった場合はスコットランド独立の可能性は非常に高く、これに加えて元々独立運動が盛んな北アイルランドなどでも相次いで活動が激しくなる可能性もあります。

そうなれば、イギリスは完全に分裂することとなります。

スコットランドが独立すればイギリス国力の弱体化は避けられず、その上でEUを離脱するようなことになればイギリスのダメージはかなり深刻なものとなるでしょう。ポンドの大暴落は容易に想像できます。

ヨーロッパの極右政党台頭、イギリス国内の独立運動の活発化とブレグジットは大きな余波を残しており、今後の展開は目を離せない展開となりそうです。

ポンドのみならずユーロの大暴落に繋がる可能性も秘めていますので、十分な警戒をしなければならないでしょう。

まとめ

ここまで、ブレグジットショックがもたらした為替への影響度についてご紹介してきました。

ブレグジットにおいて、開票日当日の値動きのインパクトは凄まじく、世界市場全体に大きな混乱をもたらしました。乱高下は1週間程度で収まったもののポンドの下落幅が埋まることはなく、火種はヨーロッパ全土に拡大しつつあります。

イギリス国内にも独立運動の機運が広がり、ポンドの行方は不透明感を増しています。ヨーロッパに極右政権が誕生すればユーロの暴落も警戒しなければなりません。ブレグジットショックが、為替相場に非常に大きな影響を及ぼしたことがご理解いただけたのではないでしょうか。

2017年度のヨーロッパではこれ以上の衝撃を及ぼす事件が起こる可能性もありますので、政治経済ニュースには常に注意を払いながらトレードをするようにしていきましょう。

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