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スイスフラン・ショックで勝ち組と負け組を分けたポイントとは?

FXトレードにおいて、近年最大の値動きとして名高いのが2015年のスイスフラン・ショックでしょう。スイス国立銀行が3年以上の長期に渡り続けていた対ユーロ無制限介入撤廃を突如宣言したことから、スイスフランが全主要通貨に対して一気に暴騰したのです。

わずか20分の間にユーロ/スイスフランは41%もの歴史的大暴落を記録しました。無制限介入時期に甘い汁を吸っていた投資家の多くが、破産に追い込まれる事態となりました。

しかし、この歴史的大事件があった時にもしっかり利益を確保していたトレーダーもいます。その違いは何だったのでしょうか。

この記事では、スイスフラン・ショックがもたらした為替へのインパクトと勝ち組・負け組を分けたポイントについてご紹介していきます。過去の為替大変動から今後のトレードの教訓を学びたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

スイスフラン・ショックとは?

スイスフラン・ショックはスイス中央銀行の役割を担うスイス国立銀行が、対ユーロ無制限介入撤廃を決定したことに端を発するスイスフランの暴騰と、それに付随して発生した経済危機の総称を指しています。

2008年のリーマンショック、2010年の欧州債務危機と立て続けに発生していた世界的な金融危機の影響で、為替市場はリスクオフの流れに傾いていました。当然ながら投資家は安全資産のスイスフランや円買いに走りますので、スイスは自国の通貨高にかなり悩まされていました。

そのような流れの中で、2011年9月に対ユーロ無制限介入はスイスフラン高を抑えるために決定されたのです。

このときに定められた対ユーロの制限値が1.2000でした。スイスとしては自国通貨を刷り続ければ理論上は無制限に介入することが可能なのですが、スイス国立銀行では次第にユーロ建ての資産が大きく膨らむことになっていきます。

これは、ユーロが下落すればスイス国民資産も目減りすることにつながることから、徐々にスイス国内でも問題とされるようになりました。

スイス国立銀行に対する政治的なプレッシャーが強まる中、ECBが国債買い入れで量的緩和策を導入する見通しが高まったことで、ユーロの下落を支えきれないという判断が銀行内に広がることになりました。

結果、2015年1月15日ついに、3年以上に渡って継続してきた対ユーロ無制限介入の撤廃をスイス国立銀行が発表したのです。

市場は大混乱に陥り、ユーロ/スイスフランで1.2000というスイス国立銀行が保証していた絶対的ラインで買いポジションを構築していた投資家たちは、いっせいにポジションを手仕舞いしました。

その際の損失確定売りが市場に大放出されたことで、ユーロ/スイスフランは歴史的な大変動に見舞われました。わずか20分程度で、ユーロは対スイスフランで41%もの下落となったのです。

当然他の通貨もとてつもない影響を受けることとなり、為替市場全体がパニック状態となりました。

元々、スイス国立銀行が保証していたラインを下限とした安易なトレードをしていた投資家が相当数いた状況で、突然の撤廃宣言があったことからその爆発力は凄まじいものとなってしまったのです。

スイスフラン・ショックがもたらした為替相場へのインパクト

スイスフラン・ショックは為替市場にどれほどの影響を与えたのでしょうか。ここでは、スイスフラン/円の週足からスイスフラン・ショック前後の為替へのインパクトを見ていきたいと思います。

スイスフランも円も共に安全資産であるため、そこまで大きな値動きは中々発生しないのですがこの日だけは違いました。スイス国立銀行の無制限介入撤廃の発表があってから、わずか数十分で4600pipsもの値動きがあったのです。

この瞬間ばかりは安全資産の円が大幅に売られ、スイスフラン買いに注文が殺到しました。スイスフラン/円でもユーロ/スイスフランと同様、窓空きが発生し20円ほどすっ飛ばされています。

この間の取引は成立しておらず、FX会社からの「追証」に泣いたトレーダーは数えきれないほどおり、億単位の借金を背負ったトレーダーも少なからずいたと言われています。

スイスフランショックの悲劇

スイスフランフランショックはトレーダーやFX業者に多くの悲劇をもたらしました。スイス国立銀行による無制限介入時は、1.2000を下限ラインとしてその少し下にストップ値を入れるというトレードを大部分の投資家はしていました。

本来であれば仮に下限ラインを割ったとしても損切りラインにかかってロスカットされて終了のはずなのですが、あまりの急激な価格変動のために予期せぬことが起こってしまいました。あの短時間での相場の激変ぶりに、「インターバンク」が価格提示できない事態になってしまったのです。

そのため、インターバンクの価格を利用して顧客に売買価格を提示していたFX業者は取引停止措置を取らざるを得ませんでした。

1.1970まではかろうじて値がついていましたが、その後はユーロ売りの注文が殺到したためスイスフランの買い値がつかず、取引できない価格帯が発生することとなりました。次に取引できる値は1.0100となったのです。

つまり、値が飛んでしまい空白価格帯が発生してしまったのです。

そのため、事前の逆指値が機能せず投入証拠金を上回る損失が出る投資家が続出しました。FX業者から損失分の「追証」を迫られ破産したり借金を背負ったトレーダーもいたほどで、裁判となったケースもあります。

このようにあまりにも急激な価格変動が起こると、取引可能な値が飛ぶ空白の価格帯が発生し、本来は機能するはずのロスカットも強制ロスカットも動かないという恐ろしい事態となってしまうのです。

証拠金を上回る損失となり「追証」となって、とてつもない金額を失うことになります。

損失はトレーダーだけに止まらずFX業者にも見られました。海外FX業者ではレバレッジ規制が緩く、中には1000倍のレバレッジを提供している会社もありました。

特にユーロ/スイスフランでは、取引する価格帯が集中していたため利幅が狭く高レバレッジのトレーダーが多く存在していました。

そのような状況の中で値飛びが発生したため「追証」の損失が莫大になり、この顧客損失とそれに伴う未収金によってFX会社は経営を揺るがされる事態となってしまったのです。大きいところでは数百億円の損失を被ったところや、そのまま倒産してしまった会社もありました。

このような恐ろしいケースもあるということは覚えておきましょう。

スイスフラン・ショックの勝ち組と負け組

ここまででスイスフラン・ショックがいかに恐ろしいかはご理解いただけたことでしょう。ただ、このような大変動の中でも大儲けをした人も、確かに存在したのです。破産した人と大儲けした人を分けたポイントはどこにあったのでしょうか。

もちろん、たまたま逆張りして利益を得た人もいるのですが、あの加熱相場に危機意識を持っていた人がいたのも事実です。ユーロ/スイスフランで下限ラインにどんどん引き寄せられる相場と、さらなるユーロ下落の要因となりうるECB量的緩和策の導入など、注視すべき情報はあったのです。

危機管理能力の高い人はトレードを控えるか、上がりそうもないユーロを売りポジションで長期的に保有するプランを立てることを考えたでしょう。大局観を持ってトレードに臨んでいた人は、勝ち組になれたのです。

方や負け組となってしまったトレーダーは、絶対安心となっていた下限ラインを使ったぬるいトレードをひたすら繰り返しラインを割るなど夢にも思っていなかった危機意識の低い人たちでした。

追証まで発生する事態となってしまったのはレアケースでしたが、高い危機意識があれば、あの安易なトレードを続けることはなかったでしょう。

相場への危機意識と大局観の有無が、スイスフラン・ショックでの勝ち組・負け組を分けるポイントになったと言えるのではないでしょうか。

まとめ

ここまで、スイスフラン・ショックによる為替へのインパクトの度合いについてご紹介してきました。

スイスフラン・ショックの為替相場へのインパクトは絶大で、特にあの短時間での激変ぶりはここ100年で最大とも言われています。

多くのトレーダーが破産、借金を背負うなど悲惨な経験をし、これをきっかけにFXから引退した人も数えきれないほどいました。経営が傾いたFX業者や倒産した会社もありました。

値飛びで空白価格帯が発生し取引が成立しない事態となり、ロスカットは機能せず「追証」に苦しめられたトレーダーは莫大な数に上ります。数々の異常事態を引き起こしたスイスフラン・ショックは今後も伝説として語り継がれていくことでしょう。

しかし、このスイスフラン・ショックでも事前察知ができる要素はいくつかありました。さすがに無制限介入撤廃を予測することは不可能かもしれませんが、やや熱を帯び過ぎの相場であることやユーロ下落の兆しはいくつかありましたので、トレードを控える判断はできたかと思います。

何が起こるか分からない為替相場、それが身にしみて分かったのがスイスフラン・ショックだったと言えるでしょう。常に備えや情報収集を怠らず、万全の態勢でトレードをしなければならない大切さがよく分かる事例なのではないでしょうか。

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