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東日本大震災時に為替はどう動いた?円安それとも円高?

まだ日本人の記憶に深く刻みつけられている東日本大震災の被害風景。

2万人以上の死者・行方不明者を出した大災害は、多くの人々の暮らしを打ち砕きました。福島第一原発事故がさらに追い打ちをかけ、今なお避難生活を余儀なくされている人々がまだ大勢います。

このように東北地方に壊滅的な被害をもたらした東日本大震災ですが、当然ながら為替相場にも大きな影響を及ぼしました。日本に危機的状況を招いたこの災害は、円通貨にどのようなインパクトを与えたのでしょうか。

この記事では、東日本大震災によってもたらされた円相場への影響度についてご紹介していきます。日本の過去の災害がどのように為替に影響を及ぼすのかを学びたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

東日本大震災と不況

東日本大震災とは、2011年3月11日14時46分に三陸沖を震源として引き起こされた巨大地震とそれに付随して発生した一連の大災害の総称です。マグニチュード9.0の莫大なエネルギーが大津波を生み、岩手県と宮城県を中心に甚大な被害をもたらしました。

加えてこの津波が福島第一原子力発電所を襲ったことで、水素爆発と放射能漏れが発生しさらなる被害をもたらしました。東日本大震災は、日本人であれば誰しもが忘れることのない近年まれにみる大災害の一つだったと言えるでしょう。

東日本大震災は為替相場、株式相場に少なからず影響を与え、日本経済はリーマンショックによる不景気にさらなる追い打ちをかけられることとなりました。

また、災害発生による起業損失の穴埋めや復興需要による資金調達のため、海外資産を売却して日本に資金を還流させる必要があるため円買い需要が一気に膨らんでいきます。それを見越した投資家の円買いが加速していき、為替相場は円高局面へと移行していきました。

この円高が日本の輸出に大ダメージとなり、日本の不況はさらに深刻なものとなっていったのです。

東日本大震災がもたらした為替相場へのインパクト

東日本大震災は為替相場にどれほどのインパクトをもたらしたのでしょうか。ここでは、米ドル/円の4時間足から東日本大震災前後の為替市場への影響度を見ていきましょう。

東日本大震災発生直後

震災発生直前は大きな判断材料はなくレンジ相場を形成していましたが、発生直後は1円以上円高に振れました。

その後も落ち着かない値動きとなりながらも円高は進行していき
、震災発生後の4取引日となる2011年3月17日に、円は当時の史上最高値となる1ドル76.25円を記録しました。

1995年4月に記録した阪神淡路大震災後の最高値79.75円を3円以上も更新する超円高となったのです。

歴史的円高記録の翌日

円が米ドルに対して最高値を記録した翌日の2011年3月18日に、先進主要7ヵ国(G7)による協調介入が10年半ぶりに実施されました。これが為替市場ではサプライズとして受け止められ、1ドル79円台で推移していたレートが81円台まで高騰することとなったのです。

この協調介入は円高一辺倒だった相場全体を牽制することになり、円高の歯止めに大きな効果を上げました。

このように東日本大震災が為替相場に与えた影響は、震災そのものというよりは、震災によって発生する資金の流れを先読みした投機的な側面が強く作用したものだったと言えるでしょう。

過熱気味の円高局面を演出したトレーダーと、それを防止しようとしたG7の経済閣僚たちとのせめぎ合いが見られた東日本大震災発生後1週間の相場の流れでした。

日本の災害と円相場の関係

日本は地震・台風・洪水・火山噴火など自然災害が非常に多い国です。そのため国民の危機意識も高く、災害時の秩序正しい行動は海外から驚きを持って受け止められることもしばしばあります。

災害時の為替相場がどのように変動していくのかを気にする人々が多いのも、災害への危機意識の高さゆえなのかもしれません。

ここまで東日本大震災発生時の為替相場でご紹介してきたように、日本での災害発生時は基本的に円高に動くと考えてもらえば良いでしょう。普通に考えれば、日本でリスクが発生しているのだから円が売られて円安になると思われるかもしれません。

ここでは何故円高に動いていくのか、その理由をご説明いたします。

リパトリエーション

日本の災害発生時に円高局面になりやすい最大の要因は、リパトリエーション(Repatriation)にあります。

リパトリエーションは、日本語では「本国送還」「帰還」と訳され、相場においては海外資産を日本へ買い戻す行為を指して使われます。つまり、機関投資家や金融機関、保険会社など海外資産である株や債券を売却し日本円にすることを意味します。

これはすなわち円買いの行為となりますので、リパトリエーションが実行されると相場は円高に動くことになるのです。

なぜ災害時にリパトリエーションが発生しやすいのでしょうか。これは保険会社の例を考えれば最も分かりやすいでしょう。前提として保険会社は利用者から預かった保険金で、株や債券などを買う運用資金として扱っています。

その中には当然海外のものも含まれており、これらの運用利益によって保険会社の経営は成り立っています。

災害発生時は保険料の支払いが大量に発生するため、莫大な現金が必要になるのです。そのため、保険会社は支払い金を確保するため海外資産を売却するリパトリエーションを実行するため、相場は円高に振れやすいというわけです。

全ての保険会社がリパトリエーションをすれば莫大な資金が日本に還流するため、円高局面になるのは容易に想像がつくでしょう。

投機的資金の流入

もう一つの理由は投資家による投機マネーの流入です。日本国内での災害発生時にリパトリエーションによって円高になることは歴史的にも証明されていますから、それを先読みした投資家たちによって円買いが一気に進むことも大きな要因となっています。

1995年の阪神淡路大震災発生3か月後の史上最高値更新、2011年の東日本大震災発生6日後の史上最高値更新と歴史的な円高局面が作り出されていることからも明らかでしょう。

大災害と呼ばれるレベルのものが発生した際は円を買っていれば間違いありませんが、その際の注意点があります。それは先述した通り日銀や海外中央銀行による市場介入があり得るということです。

円高が進み過ぎて経済に悪影響を及ぼす懸念がある場合は、市場に資金を投入し為替操作を行うことはこれまでにも度々ありました。また、このような市場介入の決定がなされたという報道があると、それに対して市場が反応し相場が反転することになります。

ですので、大災害発生時は円高を基本路線としつつも経済ニュースは細かくチェックしてトレードに臨むようにしましょう。

ちなみに、災害発生時の規模や被害状況によっては相場に大きな影響がないことも合わせて覚えておきましょう。

まとめ

ここまで、東日本大震災発生後の為替相場への影響度についてご紹介してきました。

東日本大震災発生後のインパクトがいかに大きく、異常な円高局面を作り出したかがお分かりいただけたことでしょう。また、日本の大災害発生時は円高に動きやすいこともご理解いただけたことと思います。

リパトリエーションによる円の流入とそれを見越した投資家の大量の円買いによって、大災害発生時には歴史的な円高となることが証明されてきました。それに対抗する政府の市場介入も度々実施されてきました。

トレードで利益を上げていくには過去のこのような一連の動きをしっかり研究しておく必要があります。そうすることで、同じような事態が発生した時に大衆に先んじて動くことができるからです。

過去の大変動の事例からも、今後のトレードで成果が挙げられるように備えをしていきましょう。

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