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ギリシャ・ショックで財産を失った人と大儲けした人

ユーロの一角でありバルカン半島国家で最も裕福な国ギリシャで、かつて2度の経済危機が発生しました。

ギリシャ・ショックと呼ばれたこの経済危機の影響は、欧州全体へ波及しユーロ不安にもつながった事件として知られています。

当然のように為替相場にも大きな不安が広がり、ユーロは大きく売られることとなりました。ただ、投資家の間では大きく負けた人と、逆に大儲けした人とに分かれたのですが、この差はどこにあったのでしょうか。

この記事では、ギリシャ・ショックがどのようにして発生したのかその原因と、それによって生じた為替へのインパクトについてご紹介していきます。世界の過去の経済危機がどのように為替相場に影響を与えるのかを学んでおきたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

ギリシャ・ショックとは

ギリシャ・ショックとは、2009年10月にギリシャ共和国で政権交代したことで明るみに出た巨額の財政赤字に起因して発生したギリシャの財政危機と、それに付随して起こった欧州圏全体の信用不安のことを指します。

ここでは、ギリシャ・ショックによってもたらされた一連の混乱を時系列でご紹介します。

旧政権による財政赤字隠蔽の発覚

2009年10月に新政権が発足し、旧政権による財政赤字の隠蔽が明るみに出ます。これまでGDPの4%程度と言われてきた財政赤字が、実は13%近くであることが判明したのです。

2010年1月、欧州委員会によってギリシャの統計上の不備が指摘されたことから、同国の財政状況の悪化が世界的に知れ渡ることになります。

これに対して発表されたギリシャ政府の財政計画が非常にずさんなものであったことから、ギリシャ国債の格付けは相次いで格下げされることになります。

デフォルトの懸念が市場で広がったことを受け、ギリシャ国債は暴落していくことになったのです。

ギリシャ国債「投資不適格」

2010年4月には、欧州連合統計局による調査でギリシャの財政赤字が13.6%であることが発表されました。格付け会社はギリシャ国債の格付けをさらに下げ、うち「スタンダード&プアーズ(S&P)」からは投資不適格の烙印を押されることとなりました。

金融支援の要請

ギリシャ国債の暴落から世界的に経済への影響が出始め、世界各国の平均株価も下がり始めました。ユーロも下落を続ける中、ギリシャはついに2010年4月23日「IMF(国際通貨基金)」「EU(欧州連合)」「ECB(欧州中央銀行)」に金融支援を要請する事態となったのです。

トロイカによる金融支援の決定

トロイカ(IMF, EU, ECBの総称)はギリシャへの金融支援を決定し、条件としてギリシャには厳しい緊縮財政を課すこととしました。第一次支援となったこの決定では、総額1100億ユーロがギリシャ支援に投入されることとなったのです。

しかし、トリシェECB総裁による「ギリシャ国債の買い上げをすることはない」との発表で市場には失望感が広がり、ニューヨーク市場の株価は過去最大の下げ幅となる998ドルの下落を記録するなど大きな混乱も起きています。

いずれにしても、トロイカによるギリシャへの緊縮財政の要望はギリシャ国民に大きくのしかかることとなり、その後長きに渡るギリシャ不況へと続いていくこととなるのです。

2015年のギリシャ危機

2012年以降、ギリシャはトロイカから課せられた厳しい金融支援プログラムに取り組んだことで財政面での改善は徐々に見られました。しかし、一方で景気の落ち込みはひどく、国民の生活不安などから大規模なデモや暴動が頻発していました。

そんな中2015年1月の総選挙で、緊縮財政に反対する急伸左派連合「SYRIZA」が勝利しチプラス政権が誕生します。この結果、さらなる緊縮を求めるEUとの交渉が行き詰まったことで、6月末のIMFへの借り入れを延滞し、トロイカによる第2次金融支援も終了する事態となりました。

この一連の事態から、市場ではギリシャにデフォルトの危機が再燃したと受け止められ動揺が広がりました。

ギリシャ・ショックがもたらした為替相場へのインパクト

ギリシャ・ショックは為替相場にどのような影響を与えたのでしょうか。ここでは、ユーロ/円の月足からギリシャ・ショック前後の相場へのインパクトを見ていきます。

2010年1月の欧州委員会の指摘以降、ギリシャ国債の信用は落ち続け暴落していきます。市場へ最も大きなインパクトを与えたのはギリシャ政府がトロイカ(IMF, EU, ECBの総称)へ金融支援を要請した2010年4月のタイミングでした。

スタンダード&プアーズが投資不適格の格付けをくだし、ギリシャのデフォルト懸念が市場に広がりユーロは暴落することとなりました。2009年10月から2010年4月までの間にユーロ/円は30円以上の下落をする結果となったのです。

ギリシャ・ショックは何故ユーロに大きな影響を及ぼしたのか

ギリシャはEU圏の経済規模は3%程度と大きな影響力は持たない国なのですが、なぜギリシャの経済危機がヨーロッパ、ひいては世界にも影響を与える事態となったのでしょうか。

それはギリシャがEUの一員であり、ギリシャがデフォルトにでもなればEU全体の信用問題となるからです。ギリシャの国債が暴落したことでEU各国の国債も疑われ始め、EUのソブリン債(各国の政府関係機関などが発行している債券のこと(主に国債))全体への信頼が揺らぎ始めることになりました。俗に言う欧州ソブリン危機です。

そのため、ギリシャの財政危機はEUのソブリン危機となり欧州全体の経済を脅かし、ユーロは急激に下落の道を辿ることになったのです。

ギリシャ・ショックで大勝ちした人と大負けした人の違い

ギリシャ・ショックはユーロの大変動で大損した人が多くいます。しかし、この変動に乗じて資産を築いた人もまた多くいます。両者を分けたポイントはどのような部分だったのでしょうか。

ギリシャ・ショックは突然やってきたわけではなく、ニュースレベルでも十分に把握することができたものです。少なくとも2010年4月に「IMF」「EU」「ECB」に金融支援を要請する前にポジションを手仕舞うことは容易にできたはずです。

そこまでにギリシャ政府の財政赤字隠ぺいの事実や、いい加減な財政再建計画の発表、ギリシャ国債の信用下落など多くの材料がありました。ギリシャの国債が危ないとなれば、EUのソブリン債も同時に疑われるのも自然の流れです。そうなればユーロが一気に下落していくことは容易に想像できたはずなのです。

ある程度の危機意識を持ってトレードに臨んだ人は早い段階でユーロ売りをしかけていましたし、先行きが不透明過ぎてユーロトレードを引き上げた人もいました。

しかし、危機意識の低い人は根拠のない自信からギリシャ危機くらいでユーロにおおきな影響はないと高をくくってギリシャ・ショックに巻き込まれていったのです。

ギリシャにデフォルトの可能性が現実のものとして受け止められだすと、市場では瞬く間に不安が広がり欧州全体への信用不安となって、大量のユーロ売りがなされるようになっていきました。適切な情報収集や簡単な先読みを怠った人は、大損失を被ってしまったというわけです。

相場は何が起こるか分からないものですので、リスク管理はしつこいくらいにしておかなければなりません。市場が不透明感を増して手に負えないと感じれば、さっさと手仕舞うことも資産を守る方法と言えるでしょう。

まとめ

ここまで、ギリシャ・ショックがどのようにして発生したのかその原因と、それによって生じた為替へのインパクトについてご紹介してきました。

EUの経済規模が小さい1小国であるギリシャで発生した財政危機が、EU全体の危機として波及しさらには世界全体の経済にまで影響を及ぼす事態となりました。ギリシャ・ショックによるユーロの暴落は、単一通貨の難しさを顕著に表す事例だったと言えるでしょう。

ギリシャ国債の信用下落はユーロ圏の国債への不信につながり、欧州ソブリン危機へと発展してしまいました。じわりじわりとユーロは下落していき、ギリシャのトロイカへの金融支援申し出によって、ユーロの下落は一気に加速していったのです。

経済危機の流れを情報収集で敏感に察知していた人は利益を得ることができ、怠った人はギリシャ・ショックのあおりを損失や破産と言う形で被ってしまいました。

為替相場大変動の事例からは、今後のトレードで利益を得ることができる有益なエッセンスが詰まっていますので、軽視することなく心に留めておくようにしましょう。

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