スイングトレードは勝率よりも利幅が大事?実際の取引結果でわかる「勝率3割」で儲けるコツとは?
スイングトレードで勝つには勝率が高くなければいけないのでしょうか?
「最低でも勝率50%超えでいなければ、勝ち越したとは言えないの?」
「勝率30%でも勝つなんて、そんなの無理でしょう~」
答えは半分正解、半分不正解です。なぜ半々なのかというと、トレードのやり方によるからなのです。過去記事「FX初心者におすすめの投資スタイル!スイングトレード入門」でもお話ししましたが、勝率で勝つ方法と利幅で勝つ方法があります。
勝率で勝つ方法なら勝率が最低でも50%より多くなければ損となる可能性が高くなります。
一方、利幅で勝つ方法なら勝率が悪くても勝つことは可能です。詳しくはこのあとお話ししていきますので、ぜひご覧ください。
この記事の目次
スイングトレードで勝率が良い時と勝率が悪い時を比較してみた
そもそも勝率って何?
FXでいう勝率とは、総トレード数に対して勝ったトレードの割合のことです。
- 総トレード数 5回
- 勝ちトレード数 2回
- 負けトレード数 3回
この場合であれば、(勝ちトレード数)2回÷(総トレード数)5回×100=(勝率)40%となります。この結果を見て、すごく勝率が悪いなと感じませんでしたか?
勝ったというと何だかとても良い気持ちになり、逆に負けたというと「FX怖い」とか「損した」とかネガティブなイメージを抱きがちです。
負けが続くと、トータルでお金を稼ぎたいという思いより、勝ちたいと思うようになります。ここで勝ちたいというのは、勝った回数を増やしたいということです。
忘れないでください、稼ぐことが目的なら勝率にこだわらなくても良いです。勝率を高くして稼ぐ方法もありますが、特に初心者トレーダーには難しいです。勝つためには勝率が高くなくてもトータルで稼ぐことはできるのです。
次は勝率が高い時と低い時の比較をしてみます。
スイングトレードで勝率が70%の時
FXで勝率70%程度をたたき出すのは、スプレッドや手数料を加味して計算しなければならないので、簡単なことでは決してありません。
良くて50%から60%程度でしょう。ここで、以下の条件で、勝率70%のトレードルールを設定した場合を考えてみます。
- 勝率70%とする
- 固定ロット5万通貨でトレード
- 50pipsで利益確定、100pipsで損切りをする
わかりやすくするため今回はリスク管理の方法をほとんど考えずポジション数を固定にしています。
200トレードした結果はこのように右肩上がりになりました。実際はもう少しぶれが生じますが、イメージとしてはこんな感じになります。
勝率が良いトレードルールになるかどうかは過去チャートで500トレードくらいを検証したほうが良いでしょう。
ちなみに、この設定を「30pips利益確定、100pips損切り」へ変更すると、200トレードした結果の損益グラフはこうなります。
実際は最後のほうで証拠金の関係上ポジションはとれなくなり、資金は大きく減っていますが、勝率は70%なのです。勝率が高くても勝てる、つまり稼げるとは限らないものです。
勝率の高いトレードルールを否定するわけではなく、そこそこ良い勝率でなおかつ利を伸ばせるトレードルールというのは、特に初心者トレーダーにはなかなか見つからないということです。
スイングトレードで勝率が30%の時
勝率30%というと、10連敗は当たり前となってきます。初心者トレーダーの多くが心が折れてしまうと思います。そしてこう思うでしょう。
「本当に勝率30%で稼ぐことができるの?」
同じように以下の条件で、勝率30%のトレードルールを設定した場合を考えてみます。
- 勝率30%とする
- 固定ロット5万通貨でトレード
- 100pipsで利益確定、30pipsで損切りをする
こちらもわかりやすいよう固定ロットとします。200トレードした結果はこうなりました。
勝率は30%ですが、稼ぐことはできていますね。もちろん、利幅を大きくとれなければ当然マイナスとなります。
初心者トレーダーは、この勝率30%程度の「損小利大」となるトレードルールでFXをするほうが、信じられないかもしれませんが実は稼ぎやすいのです。
ここでは例として固定pipsで利益確定と損切り設定をしましたが、実際のトレードルールでは利益は伸ばす設定にしたほうがよいです。例えば20pipsの損切り幅に対して500pipsが取れることもありますので、取れるところではきっちりと取っておきましょう。
過去記事「【FXスイングトレードの成績公開】初心者はどれくらい稼げる?」でも勝率40%で資金はどうなるか公開しています。
スイングトレードで勝率を上げるには?
勝率を上げるには?利益が伸びる方向へ、過熱感も考慮する
スイングトレードをするなら、1時間~日足のチャートでトレードする方が多いでしょう。基本的に、強いのは長期足のトレンドです。
短期足からトレンドができて、いずれ長期足のトレンドとなるわけですが、トレンドは続きやすいので長期足のトレンドに巻き込まれていくことも多くあります。
利益が伸びやすいのは、長期足のトレンド方向です。勝率を上げたいなら、4時間足の場合であれば日足や週足のトレンドも見ておくほうが良いです。
日足チャートと4時間足チャートです。日足は上昇トレンド中、4時間足でも上昇トレンドの局面なのでわかりやすいです。これが4時間足では下降トレンドの場合はポジションをとらないというやり方もあります。
こういう複数時間軸でトレンド方向が一致する場合は、その方向に進む幅も大きくなりやすいので、利幅も大きくとれることがあります。
これに加えて、過熱感も考慮すると勝率は少し良くなるでしょう。例えば上の図では買い優勢の局面なので、押し目を狙います。買われすぎたところではなく、売られすぎたところで買いを考えます。
勝率を上げるには?「勝率も損小利大も」というのは難しい
勝率だけを上げるなら簡単です。極端な話、2pipsで利益確定し1000pipsの損切りにしておけば勝率はおそらく99%を超えるでしょう。ですが、一度の損切りで500トレードが飛んでしまいます。こんな恐ろしいトレードはおすすめできません。
よくFXでは「損小利大にしましょう」と言われると思います。そこで初心者トレーダーは「勝率も良くして、さらに損小利大にもしなければいけないの?」と勘違いしてしまいます。
どちらも満たすというのは非常に難しいことだと思ってください。どちらか一方で良いのです。利幅で勝つ方法をとったとして「10連敗することがあるなんて精神的に耐えられない」という方なら、勝率を上げるように努力してみてください。
勝率を上げるなら、損中利小となるかもしれませんし損小利小となるかもしれません。バランスを考えて検証していく必要があります。ですが、さきほど書いたような2pipsで利益確定1000pipsの損切りはやめたほうが無難です。
まずは、利益幅より損切り幅が倍くらいになるトレードルールを探して検証を始めてみてください。トレンドに逆らわない、そしてRSIやRCIまたはストキャスといったオシレーターを使用し過熱感を意識したエントリーを心掛けてみてください。
勝率を上げるには?そもそもその必要があるのか?
勝率を上げるためには、トレンド判断や利幅と損切り幅のバランスも吟味し、相場の過熱感もみたほうが良いです。しかし熟練トレーダーにはできたとしても初心者には困難です。
それなら、無理に難しいトレードルールを作って検証していかなくても、利幅の取れるトレードルールを確立したほうが簡単です。
稼ぐのが目的なら、勝率を上げる必要も勝率にこだわる必要もありません。稼ぐよりも一回一回の勝ちにこだわるなら、先ほど書いたようなトレードルールを構築する必要があります。
スイングトレードで勝率が高い・勝率が低いのメリットとデメリット
勝率が高いトレードルールの場合
勝率が良い場合、最大のメリットは勝つことで非常に気持ちが良いということです。ただ勝率が高く稼げるルールを作るのは熟練トレーダーでも簡単ではないということがデメリットと言えます。また連敗した場合を想定しておく必要があります。
勝率70%のトレードルールの場合、100回トレードすれば約30回は負けるわけですね。もしも負ける30回が連続してしまったらどうでしょうか。
「このトレードルールは70%勝てるはずなのに…」
と、このやり方を投げ出してしまわないでしょうか?何度も何度もトレードしてやっとその本来の勝率に近づくため、途中で投げ出すことがあっては意味がありません。連敗を想定し、勝率が高いルールであってもリスク管理はしっかり行う必要があります。
勝率が低いトレードルールの場合
勝率が低い場合(利幅が大きくとれるルールとします)、メリットはトレードルールの構築が比較的容易であることです。また、リスク管理を組み合わせることで一回のトレードで口座残高の3割以上を稼ぐ場合もあります。
デメリットは負けが多くなるため、FXそのものが嫌になる可能性があることです。性格が負けず嫌いの人は慣れが必要になってくるかもしれません。20連敗程度は想定しておく必要があります。
スイングトレードで初心者でも取り組みやすいのは?
FXをするなら、まずトレードルールの構築が必要です。そして検証に入り、その練り直しと続きます。人から聞いたルールや購入したルールの場合でも、検証は必ず自分の手で行ってくださいね。
トレードルールを構築する場合、勝率が高いルールは難しいので、初心者トレーダーには勝率が低くとも利幅が大きいトレードルールのほうが取り組みやすいです。
まずは利幅の大きいルールで検証して、慣れてきて自分には合わないと思われるなら、勝率が高いルール作りにチャレンジしてみてください。ただ、先ほどもお話ししましたが、勝率が高いルールでも連敗はあります。
スイングトレードをされるなら、ある程度長い期間ポジションを保有することになります。長い期間保有するなら値動きが大きくなる可能性も高いですね。200pips動いている、それなのに30pipsで利益確定してしまうのは非常に惜しいです。
スキャルピングのように変動幅が少ない中でトレードするなら損小利小のようなスタイルにすべきです。しかし変動幅の大きな中でトレードするスイングトレードなら利幅を大きくとる、それがスイングトレードの最大のうま味であると思います。
スイングトレードの勝率についてのまとめ
FXで稼ぐには「勝率で勝つ方法」「利幅で勝つ方法」があります。
- トレードルール構築が容易なのは? 「利幅で勝つ方法」
- 精神的に楽にトレードできるのは? 「勝率で勝つ方法」
- スイングトレードを生かすなら? 「利幅で勝つ方法」
- 初心者でも取り組みやすいのは? 「利幅で勝つ方法」
勝率が高いトレードルールが良いなら、ルール構築の際に次のことも考慮してみてください。長期トレンド方向へポジションをとること、エントリーに使う時間軸で過熱感をはかるためにオシレーターなども使ってみることです。
勝率が低くても損小利大のルールで良いなら、過去記事「移動平均線をスイングトレードで利益をあげる方法!移動平均線のクロスは?」や「初心者でも簡単!テクニカルチャート分析を使ったスイングトレードを徹底解説」なども参考にしてみてください。
スキャルピングやデイトレではなく、スイングトレードをするなら一度、利幅で勝つ方法をリスク管理を取り入れて検証してみてください。こんなに稼げるの?と驚くかもしれません。
次の記事にスイングトレードの基礎知識やコツ、勝つためのテクニックなどをまとめています。お時間があるときに、じっくりご覧いただき、投資戦略の参考にしてください。
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