FXシストレで大損する人の共通心理とは?失敗例から検証
シストレは相場分析が苦手な人や、FXのトレードに不慣れな初心者の人にとっては救世主的な存在でもあります。自動売買プログラムが全て判断して、エントリーもエグジットも実行してくれるからです。
しかし、シストレにも必勝法などは存在せずしかるべき対応を取っていないと大きな損失を抱えてしまいます。リスクをしっかり認識して、市場から退場させられることのないよう正しい運用を心掛けましょう。
この記事では、シストレで失敗する人の共通した心理や大損した失敗例などについてご紹介していきます。シストレをする上でのリスクをしっかり認識しておきたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
シストレで失敗する人の共通心理
シストレは優秀なトレード手法なのですが、残念ながら失敗する人は一定数存在します。そして、それらの人には共通するいくつかの心理があります。ここではそのいくつかをご紹介しましょう。
ストラテジーの過去実績の経過を見ない
自動売買プログラムであるストラテジー(MT4ではEA)は、運用前の時点で過去実績を確認するのが通常の選択方法です。その際に、ランキングの結果だけを見て選択する人が少なくありません。そのような選択の仕方では、勝つことは難しいでしょう。
ストラテジーはそれぞれにマッチする相場があり、成績もそれに合わせて変動するのが常です。ですので、ストラテジーがどのような経緯をたどって現在の成績になっているのかよく分析をしなければなりません。
最大ドローダウンを出したのはどのような時だったか、勝率が高いのはどのような相場の時だったかなど過去にどのような成績を辿っていたのかをよく確認し、それを踏まえた上で運用する必要があります。
単純にランキング1位だから、収益率が高いからという理由だけで選択しても勝つことはできません。
ストラテジーを信じられなくなる
どれだけ優秀なストラテジーであっても、相場の変動で調子の波は必ずあります。そのことを認識できていないトレーダーも少なからずいます。若しくは認識していても、調子が少しでも悪くなると不安になってすぐに入れ替えをしてしまう人も少なくありません。
そのような人たちは少しの損失や連敗が発生しただけで、「このストラテジーはダメだ」「この相場には向いていない」と簡単にジャッジを下してしまい、退場させてしまう傾向があります。
このような運用を繰り返していては、損失を繰り返すだけでいずれは資産を全額失うことになります。ストラテジーの特性やマッチする相場をしっかり分析した上で、対応できるようになりましょう。時には我慢も必要なのです。
手動決済をしたくなる
ストラテジーは一定の戦略やルールに従って、決済を繰り返していきます。含み損が出たからここで決済をしたいと、毎回のように考えてしまう人や実際に決済してしまう人がいますが、これでは自動売買の意味がありません。
感情を除外したトレードを売買プログラムにさせるのが最大のメリットですので、ストラテジーの戦略やルールはしっかり把握してある程度は見守るようにしましょう。
ストラテジーの入れ替えをしない
一度ストラテジーを選択すると、そのまま放置をして入れ替え作業をしない人もいます。これは危険な行為です。過去にどれだけ好調な成績を叩き出していようが、相場にマッチしなくなるリスクは常に存在します。
明らかに不調になった時もそのままにしていては、損失が拡大するだけです。「最大ドローダウンを更新した時」や「連敗数を更新した時」など、確実に入れ替えを実施するルールをあらかじめ設定しておきましょう。
放置は本当に危険ですので、随時運用成績や相場状況はチェックして異変を察知した場合は入れ替えの対応をするようにしましょう。
シストレに必勝法があると思ってしまう
必勝法が存在すると考えている人も一定数存在するようです。はっきり言ってそんなものはありません。優秀なストラテジーは存在しますが、必ず勝てるわけではありません。
このような考え方をして究極のストラテジーを追い求めたり、逆にストラテジーを過信して損失を度外視したりしていると、本来のシストレの良さを活かすことができなくなります。遅かれ早かれ、このような人は市場からは消えていくことになります。
幻想は見ずに相場の現実を見てしかるべき対応を取るようにしましょう。
シストレで大損した失敗例
シストレに対する危険な考え方の数々を見てきましたが、具体的にはどのような失敗をするのでしょうか。ここでは、いくつかの失敗例を見ていきたいと思います。
連勝に浮かれストラテジーを追加しまくる
この失敗例は、最初に選択したストラテジーが連勝を続けたために、他のストラテジーも選んで利益をどんどん増やそうとして失敗したお話です。
ストラテジーが好不調の波があることは周知の事実です。しかし、このトレーダーは最初の連勝にすっかり気分を良くして、大した分析もせず他の調子の良さそうなストラテジーもポートフォリオに組み込んで一気に儲けようとしました。これが間違いのもとでした。
最初のストラテジーは勝率は高かったものの連勝は次第に少なくなり、大きな損失が数回に1回起こるようになってきたのです。いわゆる「利小損大」のダメなトレードです。損失は徐々に膨らむようになりました。
また悪いことは重なり、後で組み込んだボラティリティの高いポンド/円やユーロ/豪ドルのストラテジーも損失を重ねることになります。これらのストラテジーが最大ドローダウンを更新する事態となり、あえなく強制ロスカットとなりました。トータルで200万円の負けです。
ファンダメンタルズに対応できず強制ロスカット
この失敗例は、シストレの天敵ともいえるファンダメンタルズへの対応ができなかったことによる大損のお話です。
先のアメリカ大統領選でトランプ氏が次期大統領として指名されました。この当時のドルの上昇ぶりはすさまじく、1ドル104円前後で推移していた相場は、1度101円まで下げてから120円近くまで上昇を続けました。
このトレーダーが採用していた手法は「トラリピ」によるリピート系発注機能でした。上昇一途のトレンド相場に対応できず、また上昇が急であったために当初の想定レンジを大幅に超えて上昇を続けたのです。
その結果、含み損を解消しきれず強制ロスカットとなってしまいました。損失は150万円です。
リピート系発注はトレンド相場にやや弱い傾向があるため、今回のトランプ現象のような明らかなトレンドが発生した際はシステムを停止するなどの対応が必要だったかもしれません。いずれ落ち着くだろうという安易な考え方が災いし、損失が拡大し続けてしまったのです。
対応が遅れると大損してしまうという良い教訓です。自動売買であっても相場の異変には常に目を光らせ、素早い対応ができるようになりましょう。
まとめ
ここまで、シストレで失敗する人の共通した心理や大損した失敗例などについてご紹介してきました。
シストレで失敗する人が陥りやすい心理にも多くの種類があることを知って驚かれた人も多いかもしれませんね。また、自動売買とは言え対応すべきことは多々あることもご理解いただけたことと思います。
ここで紹介した失敗例もそうですが、大損する例というのは事前に回避することが十分に可能なものばかりです。シストレ特有のリスクをしっかり把握して、安定した運用ができるように心がけましょう。
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